指導医からのメッセージ
副院長 医療研修室長 田村 乾一
医師になって最初のおよそ5年間は非常に大事な時期と言われています。とくに初期の2年間の過ごし方は重要です。
まずはなんといっても、自分で多くの臨床経験をすることです。
最初のうちは、指導医に言われた動脈血ガス、血液培養など手技をこなす係みたいだろうけど、その手技も漫然とやるのではなく、自分なりの安心・安全にやる工夫を考えてみよう。これは雑用とは言わない。雑にやるから雑用にしているだけ。
同じ疾患であっても、患者さん一人一人の最善の医療は異なります。その最善の医療を患者さんとともに考え、その方針を決定し貫くことが医師の仕事そのものです。
国家試験で、マルチプルチョイスの正解が1つという世界とはまるで別な世界が待っているんだ。明快な正解が無い世界、、、学生さんには想像もつかないかもしれない。国家試験の問題は当然一人で正解を考えなくてはならないですが、臨床は医師一人ではやらない、というかやれないのです。知識も視点も価値観も異なる医療の多職種で、さらには患者さん本人と相談し、最善を尽くしていく世界なのです。だからコミュニケーションは重要なわけです。基本は3つ 明るく挨拶・時間を守る・目をみて話す であります。
そんな必ずしも明確な正解がない世界で、一人前の医師、プロフェッショナルを目指すには専門書を熟読し、すごい先生のレクチャーを何度聞いても、なかなか結晶しません。明確な正解がない世界のさまざまな文脈の中で、うまくいった、うまくいかなかったどちらの事象でも、周囲からの意見に耳を傾け、起きたことを前向きに振り返ることこそが、唯一のスキルなのです。
積極性が大事というけど、目立つパフォーマンスのみでなく、地味なパフォーマンスこそ評価しています。例えば、カンファランスの発表準備(プロジェクター、音声、テーブル、椅子など)、後片付けなどを率先してやる人。地味なパフォーマンスがすごい人はあらゆるパフォーマンスが優れているからです。
さあ一緒に当院で2年間を過ごしましょう。
医療研修科長 安田 猛彦
当院での初期臨床研修を考えられているみなさんへ
初期臨床研修の2年間で学んだことは医師人生の土台となります。
当院は地域の基幹病院であり、研修医の定員も12名と程よいことから多くの症例を経験することが可能です。各科の垣根も低く、上級医にも相談しやすい環境が整っていますので向上心を持って診察能力を身につけてください。
そして命と向き合い、心に寄り添うことの大切さを学んでください。
その過程でメディカルスタッフとともに診療を行っていることを自覚し協調性を持ってください。
研修医の存在が病院を活性化させ、病院の総合力底上げに必要不可欠となっています。
当院では初期臨床研修に必要な症例、環境が整っており、2年目の後半では皆自信を持って診療を行っています。
病気も人も診ることのできる医師を目標に当院であなたの初期臨床研修をスタートさせましょう。