岩手県立中部病院

0197-71-1511

お問合せ

文字サイズ

薬剤科

薬剤科

【薬剤科基本理念】

「医薬品の適正使用と安全管理」を念頭におき、患者中心の責任ある薬物治療を提供します。

 

【薬剤部基本方針(行動指針)】

1)地域との連携を推進し、薬物療法の継続的なサポートと副作用の予防・早期発見・軽減に努めます。

2)専門性・人間性豊かな薬剤師の育成に努めます。

3)明るく働きがいのある職場作りのため、ワークライフバランスを考慮した業務を目指します。

4)効率と能率を意識した業務改善を行い、病院の健全経営に貢献します。

 

【薬剤科長より】

薬剤科は薬剤師23名、薬剤助手4名で業務を行っており、医療の質と安全性を担保するために不可欠なチーム医療の要の役割を担っている部門です。がん治療、感染制御、緩和医療、栄養のサポートなどチーム医療の一員としてその専門性を発揮すると共に、外来、病棟や手術室等での薬品の安全管理、適正使用に努めています。

また、薬学実習生の受け入れや、県立病院の新人あるいは2~3年経過した薬剤師の教育の場として、次世代を担う薬剤師を育成するために門戸を開けております。同時に、薬剤科員も地域の患者さんの健康に貢献できるよう日々研鑽して、各種専門、認定薬剤師の取得に励んでいます。

薬剤科員のユニホームには朱色のラインが入っていますので、お薬の事に関わらず外来や病棟でも気軽に声を掛けて頂きたいと思っております。

 

 

【各種認定薬剤師数】

がん薬物療法認定薬剤師(日本病院薬剤師会) 2名

抗菌化学療法認定薬剤師(日本化学療法学会) 1名

緩和薬物療法認定薬剤師(緩和医療薬学会) 1名

認定実務実習指導薬剤師(日本薬剤師研修センター) 5名

栄養サポートチーム専門療法士(日本静脈栄養学会) 3名

岩手DMAT隊員 1名

岩手糖尿病療養指導士 1名

放射性医薬品調製ガイドライン講習会受講者 9名

イットリウム取扱者講習会受講者 3名

CRC養成研修会受講者 2名

術後疼痛管理研修修了者 4名

医療安全管理者研修(40時間)修了者 5名

 

 

【業務のご紹介】

<調剤業務>

 

処方せんに記載された通りに医薬品を調剤することだけでなく、医師の処方が医学的に妥当であるかの判断(処方監査)、医薬品の相互作用や重複防止、薬剤処方歴の管理などを行っている。

業務は以下の手順で、過誤のないよう、正確に行われています。

① 処方せんに記載された内容について確認し(処方監査)、処方上疑わしい点があった場合、処方医へ問い合わせ確認する(疑義照会)。

② 錠剤・カプセル剤・外用剤の調剤(計数調剤)、散剤・水剤の調剤(計量調剤)や錠剤やカプセル剤の一包化調剤など行います。

③ 調剤されたお薬が、処方せんの内容通り正確に行われているか確認を行う。(最終監査)。

④ 患者さんに調剤した薬の交付と安全・安心に服用できるよう情報提供とお薬に関する質問や相談へ対応します。(薬の交付と指導)

 

 

【内規】調剤業務

 


 

<注射調剤業務>

 

注射薬は血管内に直接投与され、効果が強く現れることが多く注意が必要な薬剤です。薬剤師は処方された注射薬の投与量・投与経路(静脈内注射、皮下注射、筋肉注射など)・投与速度、配合変化(2種類以上の注射薬を混合しても問題ないか)等をチェックします。処方の内容について疑わしい点は必ず医師に問い合わせ(疑義照会)を行い、注射薬が安全に使用されるように努めています。

 衛生管理に細心の注意を払わなければならない中心静脈栄養輸液やCADDポンプ用輸液セットの調製は、クリーンベンチを使用し薬剤師による無菌的混合調製を行なっています。


 

<薬品管理業務>

 院内で使用する医薬品の購入、在庫管理、品質管理などを行い、災害時にも対応できるよう医薬品の円滑かつ正確な安定供給に努めています。一般医薬品とは区別して、医療用麻薬、向精神薬、毒薬、血液製剤など法規制管理を行っています。

 

<製剤業務>

 

製剤業務は、市販されていない薬を病院内でつくる(調製する)業務です。

薬物治療において市販されている薬では効果が得られない場合、市販されている薬の形(剤形)そのままでは治療に使用できない場合など、薬物治療上の必要性に応じて、院内で薬(内用剤、外用剤、注射剤など)を調製しています。

調製する際は、科学的・倫理的妥当性について十分に考慮し、市販の医薬品と同様に品質を確保し、有効性・安全性・安定性の面についても配慮しています。

使用前には医師から患者様へ十分な説明を行い、患者様の同意を得てから使用されます。


 

<医薬品情報管理(DI)業務>

 

 医薬品は研究が進み次々と新しいものが開発されています。また、医薬品の効果や副作用、臨床現場におけるデータなど新しい情報が日々追加されていき、医薬品の情報は膨大な量と言えます。これらの情報を管理・整理し、医師や看護師をはじめとする医療従事者、患者様へ医薬品の適正使用に必要な情報を提供しています。 

 また、隔月で開催される薬事委員会で審議される薬剤の評価と資料作成、院内で発生した副作用情報や電子カルテの薬品マスターのメンテナンスも担当しています。


 

<化学療法調製業務>

 

 抗がん薬治療を安心・安全に受けていただくために、薬剤師による投与スケジュール管理や無菌的混合調製を行っています。

 投与前日には、投与量・投与間隔・支持療法(副作用を軽くする治療)の詳細な確認を行っています。投与当日の調製前にも、 検査値や副作用などの最終確認を行った上で、安全キャビネット(抗がん薬調製専用の環境)での無菌調製を実施しています。

 また、がん薬物療法に精通する薬剤師が投与スケジュールや副作用の丁寧な説明、および副作用の予防・軽減のためのサポートを実施しております。


 

<病棟薬剤業務>

 

 入院患者様に適切な薬物療法が行なわれ安全に薬が使用されるよう、各病棟に専任薬剤師を配置し、医師や看護師をはじめとする多くの病院スタッフと連携しています。

 具体例の一部として以下のような業務があげられます。

◯入院患者様の持参薬を鑑別し、今後の治療に影響がないか確認した上で、医師・看護師へ持参薬の情報提供を行います。

◯患者様の年齢、体格、腎臓や肝臓の機能などを考慮し、処方された薬剤が適切に使用できるか確認しています。

◯カンファレンスなどに参加し、薬剤の追加や中止に対する提案を行います。

◯薬の効果や飲み方(使用方法)、起こりうる副作用とその対処法などの説明を、患者様やご家族に行います。

◯患者様および医師や看護師など病棟スタッフの薬に関する相談応需を行います。

◯病棟における内服薬や注射薬の管理を行います。


 

<地域連携(薬薬・他職種)>

 患者様により安全で質の高い薬物療法を提供するため、病院薬剤師と保険薬局薬剤師や他職種と情報を共有し連携していくことを「薬薬連携・他職種連携」といいます。

 当院では、特に安全性が重視される抗がん薬において「薬薬連携パス(フォローアップシート)」を使用して連携や、お薬手帳、退院時サマリー等を活用して病院薬剤師と保険薬局薬剤師や他職種との情報共有による継続した薬物治療を実施しています。

 また、定期的に研修会を開催し、保険薬局との連携強化やきめ細やかな薬物療法の向上を目指し、顔の見える関係性を築いています。

 

保険薬局及び他医療機関の皆様へ

中部病院レジメン集

吸入薬指導連携書式

インスリン指導報告書

使用中医薬品情報提供書

<学生実習>

薬学教育6年制移行に伴い、薬局・病院それぞれ11週間の実務実習の履修が薬剤師免許取得において必須となりました。当院も、毎年実務実習生を受け入れており、実務実習指導薬剤師を中心に薬剤科全体で取り組んでいます。実務実習の内容は、薬学教育モデル・コアカリキュラムに沿い、調剤業務・注射調剤業務・抗がん剤調製業務・DI(医薬品情報)業務・病棟薬剤業務・服薬指導(患者様へのお薬の説明)・チーム医療(他職種との連携)など様々な病院薬剤師の業務を行います。実務実習を通して、医療人としての基本理念や専門的知識・倫理観を持った質の高い薬剤師の育成を目指しています。

 

 

<医療安全>

中部病院の基本方針である「安全で質の高い医療を提供する」に基づき、薬剤科では適正な薬物療法を第一に考えるとともに、医薬品に関連した医療過誤防止の徹底と必要に応じた業務改善を図りながら医療安全に貢献しています。

 

○医療安全担当薬剤師の主な業務

1)医療事故防止の取り組み

2)インシデント報告の管理

3)インシデントの原因分析・調査及び改善

4)各種マニュアルの管理

5)医療安全に関する教育

 

○業務内容

医療事故防止全般に関する組織的取り組みを行う医療安全管理室の一員として、院内関連部門と連携し、医薬品に関連したインシデント報告から、医薬品事故防止対策基準に沿った対応の評価を行い、月1回のセーフティマネージメント部会にて事例の共有とカンファレンスを実施し、対策の周知徹底ができるよう支援しています。また、医薬品安全管理者と協力し、事故防止に関する啓発活動を積極的に行っています。

 

院外処方せんにおける疑義照会簡素化プロトコールの運用について

ごあいさつ

保険薬局 管理薬剤師 各位

平素より当院の処方せんを応需していただきありがとうございます。

薬剤師による疑義照会は医薬品の適正使用上、重要な業務です。患者さんの個々の病状や検査値を勘案した疑義照会・処方提案はますます重要となり、その件数も増えています。一方で、形式的な疑義照会はそれ以上に多くあり、患者・薬局薬剤師・処方医師それぞれのご負担となっている場合もあるかと存じます。

岩手県立中部病院では、薬物治療管理の一環として、調剤上の典型的な変更に伴う疑義照会を減らし、患者さんへの薬学的ケアの充実および処方医や保険薬局での負担軽減の観点から包括的に薬剤師法第23条第2項に規定する医師の同意がなされたとして、個別の処方医への同意の確認を不要とする「院外処方せんにおける疑義照会簡素化プロトコール」の運用を開始しております。

本プロトコールを適正に運用するにあたり、合意書を取り交わすことを必須としております。参画を希望される場合には薬剤科担当者までご連絡ください。

 

岩手県立中部病院 病院長 吉田 徹

 

 

運用の流れ及び報告様式等

医療情報担当者(MR)の皆様へ

当院への訪問に関しましては、別添活動規定を遵守のうえ行っていただきますよう、よろしくお願いいたします。

▲上に戻る