岩手県立中部病院

0197-71-1511

お問合せ

文字サイズ

呼吸器外科

呼吸器外科

概要・特色

 呼吸器外科は下記の主な対象疾患にあるような胸部の疾患を扱っています。当院は中部医療圏の地域がん診療連携拠点病院としての役割を担っており、呼吸器外科も呼吸器内科、放射線科、外科の協力のもと肺がん診療を地域に提供しています。スタッフは常勤1名、非常勤医師1名(外来)で診療を行っています。患者さんが納得して治療が受けられるよう、丁寧な説明を心がけています。治療についてなど不安なことは遠慮せずにご相談ください。


主な対象疾患

1 肺の悪性腫瘍・良性腫瘍  2 気胸  3 縦隔腫瘍

 

スタッフ紹介

氏名 菅野 紘暢 (かんの ひろなが)
職名 呼吸器外科長
卒業年 平成26年 弘前大卒
専門領域 呼吸器外科一般
学会資格等

日本外科学会(外科専門医)、日本胸部外科学会、日本呼吸器外科学会、日本肺癌学会、日本癌床外科学会、日本がん治療認定医機構(がん治療認定医)、検診マンモグラフィ読影認定医、医師小人数区域経験認定医師

 

 

対象疾患と診療内容

肺がん

ご存じのように癌で亡くなる原因の第一位が肺がんです。
では、肺がんは治らない病気でしょうか。治りにくいことは事実ですが早期肺がんの約8割以上が手術によりなおります。
よって肺がんは早期発見、早期手術が重要です。当院では内科、放射線科との連携にてこれらを実現しています。
手術においては、県中部の拠点として術中迅速病理診断と胸腔鏡手術(カメラの手術)を特徴としています。
入院期間は手術前5日間、手術後約2週間の20日間位です。
またたとえ、進行していた場合も抗がん剤、放射線治療を行います。とくに外来抗がん剤治療に力を入れて、皆様の生活の質を重視した治療を行っています。
さらに、緩和医療を重視し在宅での診療も訪問看護ステーションと連携し行っています。

 

縦隔腫瘍

縦隔という場所は右の肺と左の肺の間を指し、ここにできた腫瘍を総じて縦隔腫瘍と言います。
入院期間は、ほとんどが良性ですので手術後1週間で退院ですので約10日間位です。
縦隔には心臓、食道,気管、大動脈、神経、胸腺など多彩な組織がありますが、主な疾患としては以下のものがあります。

1.胸腺腫

胸腺と言うものが胸の真ん中の前の方にあります。本来は大人になるに従い退化するものですが、これが遺残し大きくなったものです。
とくに筋力が低下する物質を作るタイプは、重傷筋無力症といいます。
症状を改善するため薬物治療と手術を行います。(拡大胸腺全摘出術)

2.胸腺がん

胸腺と言うところがガン化した腫瘍です。抗がん剤と放射線治療を行った後、手術をします。

3.神経源性腫瘍

縦隔には多彩な神経が通っています。これが何らかの原因で腫瘍化したものです。ほとんどが良性です。

4.嚢胞性腫瘍

気管支、心膜などが袋状に腫れてしまった腫瘍です。ほとんどが良性ですが、急に大きくなることがあり胸腔鏡による手術が行われます。

 

自然気胸

比較的若く長身でやせ型の方に多い病気です。男性に多く、ある日突然胸が苦しくなる病気です。このような方の肺の表面に薄く風船状になった部分(ブラと言います)が存在し、これが突然破れて肺が縮んでしまう病気です。
治療はドレーンという管を胸に挿入し漏れた空気を脱気します。一時的に治りますが、約半数に再発を見ます。そこで再発した場合、または程度が重傷の時は手術が行われます。
胸腔鏡と言うカメラの手術により、穴の開いた部分を切り取る手術です。
入院期間は手術後数日で退院となり全部で10日間位です。

 

その他

事故などの外傷により肺が傷ついたり、肋骨が何本も折れたりした場合も手術が行われます。
特殊なものとして、胸壁の腫瘍(骨や神経が原因)や、胸膜の病気(胸膜中皮腫)があります。
そして多汗症といって手のひらに大量の汗をかき日常生活に支障のある方に、胸部交感神経節遮断術という手術を行います。

 

胸腔鏡手術

肺の手術では従来大きく胸を切り開く手術でした。しかし医療技術や医療器具の発達により、できるだけ切開を小さくし身体に対する影響を少なくする手術が可能になりました。
これが、胸腔鏡手術です。鉛筆ほどの太さの目の代わりのカメラ(胸腔鏡)と手の代わりの手術器具を用いて手術します。ですから1.5cm位の傷が3、4カ所できるだけです。ただし取り出すために場合によっては5~7cm位の切開が必要になることがあります。
これにより術後の痛みが少なくなるとともに、入院期間も短縮できるようになりました。
ただしこの方法はすべての疾患に利用可能ではなく、利点と欠点をよく相談した上で行います。
現在主な疾患は、良性の疾患の多くと、一部の悪性疾患(肺がんなど)が適応です。

 

術中迅速病理診断

肺がんは早期発見、早期手術が重要と言いました。
しかし、早期ほど診断が難しく、かといって診断できるまで待っていると病気として進んでしまい早期ではなくなってしまうことがあります。
そこで、種々の検査により悪性が強く疑われた場合、胸腔鏡手術により小さい傷で腫瘍のみをとり、それをその場で病理医が診断します。
その結果を得て同日に手術を続けることができます。
良性の場合は、小さくとった手術(部分切除)で終わります。
悪性の場合は、全体の五分の一程度の肺をとる手術(肺葉切除術)をそのまま続けます。
このように、以前は診断が付く二週間後くらいに再手術を行っていましたが、当院は術中迅速病理診断を採用していますので、一回の手術で終わることが可能です。

 

在宅治療

当科では肺がん患者さんの緩和医療を充実していくため、さらに在宅での治療を勧めています。
病院から在宅へのスムーズな移行を考える上で在宅医療チームの結成に協力しています。
また、いつでも病院に受け入れる体制も整えています。
ほぼ毎年十数人の肺がん患者さんが在宅での治療を行っています。

 

外来抗癌剤治療

どなたでもできるなら通院での治療を望でしょう。
従来、抗がん剤治療というと辛く長い入院が必要でした。
医学の進歩により副作用対策も充実しており本人が望むのなら、外来を中心とした抗がん剤治療ができるようになりました。
当院では、外来抗癌剤治療チームを作りスタッフの協力の下、週二回の外来抗癌剤治療が可能になりました。
現在、約15人の方が毎週治療を受けています。年間延べにすると約400人以上の方が外来で抗癌剤の治療を受けていることになります。

診療科 Aブロック
診療科 Bブロック
診療科 Cブロック
診療科 Dブロック
診療科 Eブロック
診療科 その他のブロック

▲上に戻る